”古民家の再生や古材の活用”
伝統的な建築技術を保護し、持続可能な生活を実現するための意識を高く持ち、未来の子供たちに持続可能な建築社会の実現の為、(一社)古民家再生協会 宮城第二支部の古民家の再生や古材の活用”への取組を何回かに分けてご紹介しようと思います。
第一回目の今回は、(一社)全国古民家再生協会の事業者会員で設計事務所を営んでいる個人事業者として総括的に記載していこうと思います。
◇ 1. 古民家の再生とは日本の文化そのものです。
・過去から未来への継承 – 歴史的価値: 古民家は地域の歴史や文化を反映しており、その価値を再評価することが重要です。 – 建築的価値: 伝統的な建築技術や素材を活かした再生は、現代の建築に新たな価値をもたらします。
・ 構造の耐震性と住環境性能
– 耐震補強: 現代の安全基準を満たすために耐震補強を行うことが必要です。
-断熱性能 – 断熱改修: 快適な住環境を維持するために、断熱材を追加するなどの改修が求められますが開口部、気密性の確保。
・設備の更新
– 現代的な設備の導入: 電気や水道、排水などのインフラ設備を現代的なものに更新する。
– エコ設備の導入 : 太陽光発電システムや高効率の暖房・冷房設備を導入することで、環境負荷を軽減します。
※特に古民家の耐震性については(一社)全国古民家再生協会の事業者会員ならではの参入障壁があり古民家独特の石場建(石の基礎に直接柱が載った構造形態)のまま「住宅金融支援機構」のフラット35、住宅瑕疵保険の付保ができる資格が与えられております。
これについては次回の投稿といたします。
話は戻りますが次に“古材”の活用とカーボンフィグゼィション(Carbon Fixation炭素固定)について記載したいと思います。
◇ 2. 古民家が解体される古材の再利用として
– 環境保護: 古材を再利用することで、新たな木材の使用を減らし、森林資源を保護することができる。
– 美的価値: 古材は独特の風合いや歴史的な趣があり、現代のインテリアに個性を加えます。
・また、使用例としては以下が考えられますが – 建築材料 : 床材や柱、梁などに古材を再利用することで、温かみのある空間を演出できます。
– 家具や内装: 古材を使った家具や内装は、独特の魅力を持ち、長く愛されるデザインになります。
(一社)全国古民家再生協会の関連団体である(一社)古材リユース推進協会に依る≪古材倉庫≫近年注目が集まっております。
それは、今までは違法とされていた解体現場からの古材の取出しが経済産業省の「日本標準産業分類に≪令和5年7月改定≫「再生資源卸売業」として“古材再利用”が正式に認められましたということです。
当然ながら新築現場の構造体に流用するにはルールがございます。
≪古材倉庫≫は構造的担保は古材の“ヤング係数”測定数値、防虫防蟻処理などのPL法遵守措置等が必要条件とした上で成立するものとなります。 古民家の再生や古材の活用は、文化的価値を保護しながら、持続可能な生活を実現するための有効な手段です。地域の伝統や文化を大切にしながら、現代の生活に適応させることで、より豊かな住環境を築くことができます。
◇ 3.古材の活用は、カーボンフィグゼィション(Carbon Fixation炭素固定)として地球環境に対して以下のような影響力を持ちます。
1. 炭素の固定と削減
– **炭素の固定**: 木材は成長過程で二酸化炭素を吸収し、炭素を固定化します。古材を再利用することで、その炭素を建物に固定し続けることができます。
– **新たな伐採の抑制**: 古材を活用することで、新たな木材の伐採を減少させ、森林の保護に寄与します。これにより、森林が成長し続け、さらに炭素を吸収する能力を維持することができます。
2. エネルギー消費の削減
– **製造エネルギーの削減**: 新しい木材を製材するためには多くのエネルギーが必要ですが、古材を再利用することでそのエネルギー消費を抑えることができます。
– **輸送エネルギーの削減**: 地元で調達できる古材を使用することで、輸送にかかるエネルギーも削減できます。
3. 廃棄物の減少 – **建設廃材の減少**: 古材を再利用することで、建設現場での廃棄物を減らし、環境負荷を軽減します。
– **ライフサイクルの延長**: 古材の再利用により、建築材料のライフサイクルが延長され、廃棄物の発生が抑えられます。
4. 環境教育と意識の向上 – **環境意識の向上**: 古材の活用は、持続可能な資源利用の重要性を強調し、環境意識の向上に寄与します。
– **教育機会の提供**: 古材の再利用プロジェクトは、学校やコミュニティにおいて環境教育の機会を提供し、持続可能な生活スタイルを推進します。
5. 文化的・歴史的価値の保護 – **文化財の保存**: 古材を利用することで、歴史的建築物の修復や保存が促進され、文化遺産の保護に貢献します。
– **伝統技術の継承**: 古材の再利用に伴い、伝統的な建築技術や職人技が次世代に継承されます。
6. 持続可能なデザインの促進
– **サーキュラーエコノミーの促進**: 古材の活用は、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の一環として、資源の再利用
と廃棄物の削減を推進します。
– **エコデザインの普及**: 古材を使った建築やインテリアデザインが広がることで、環境に配慮したデザインの普及が促進されます。 古材の活用は、カーボンフィグゼイションとしての役割を果たし、地球環境に対して多くのポジティブな影響を与えます。
炭素の固定、新たな木材の伐採抑制、エネルギー消費の削減、廃棄物の減少、環境教育の推進、文化的価値の保護など、様々な面で持続可能な社会の実現に寄与します。このような取り組みを推進することで、弊社はより環境に優しい未来を 築くことができると信じて活動を続けていきたいと思います。